つつましき娯楽

11月最後の夜。
忘年会へ出かける私を車で送ってくれた旦那さまが
「え~・・・なんでスカートなの?」
と、ちょっとぶうぶう言いました。
なんで、って。
それはネット通販で買ったブーツ(格安)が届いたからよ。
せっかくだからスカート履きたいじゃん。
「忘年会って、お座敷?それとも椅子席?」

なぜ旦那さまがこんなことにこだわるのか、というと。
彼は、私がスカートを履くのがお好きではない。
座り方や立ち居振る舞いが「なってない」から、
スカートだと無防備に見えてしまうのが嫌なのだそうです。
誰も私の足やパンツなんか見てないよ!、と言うのですが、
一分の隙もないような振る舞いが出来なきゃだめだ、と
おっしゃいます。
もしくは、自分と一緒の時ならスカートでもいい、そうですが、
それは「ほら、足!」って注意することができるから。
おかげで、彼と付き合うようになってからこれまで、
私は一年のほとんどをジーンズで過ごしています。

こう書いてしまうと、
ヤキモチを焼かれながらも熱愛されてるんです、アタシ、
みたいなおのろけブログのようですが、
旦那さまがぶうぶう言うのは私に限ったことではありません。
たとえば飲みに行ったお店の女の子が立ったり座ったりする時、
ミニスカートからチラリと何かが見えようものなら、
彼は小さくため息まじりに「・・・おぃ~」とつぶやきます。
下を向いた時に、強調した胸元から谷間が覗けば、
「・・・おぃおぃ」と情けなさそうにつぶやいて首を振ります。
ローライズの腰から覗くパンツももちろん不可。
見せパン、ってなんだ!ケシカラン!という
古式ゆかしい男子である旦那さまにとって、
「見せてしまう」もしくは「見えてしまう」女子はすべからく
お説教の対象なのです。

でも、せっかくブーツ(格安)が届いたのだし、
ミニスカートじゃなくて膝丈だから安心だし、
忘年会の会場は椅子席だし、
まあ、なんなら上着をずっと膝にかけておくから、という
説得が功を奏し、久々のスカートでお出かけとなったわけですが、
それでもまだチクリ、と
「俺と出かける時は、スカート履かないのにね」
などとおっしゃるので、
「それじゃ、忘年会がハネたら、一緒にどこかへお出かけしよう」
と提案してみました。

時刻は深夜をまわり、迎えに来てくれた車に乗り込んで、
「さあ、どこへ行く?」となったわけですが・・・問題点が二つ。
①久々に顔を出したい店はあるけど、もう店終いの時間
②他にもお店はあるけど、お財布の中身が心許ない

24h営業のネットカフェにでも行こうか、と提案してはみたのですが、
二人並んでネットするなら家でも同じだし、
それじゃDVDでも借りて家で見ようか、ということになると、
スカート履いてお出かけの意味がない。
つつましくとも楽しく遊びたい、という私達の条件を満たす店が
どこかにないものか・・・と思案する二人。
すると・・・あった。あったじゃないですか。

「そうだ。うちの店へ行けばいいんだ~」

実は最近、うちの店ではカラオケで点数を競うのが
ちょっとしたブームになっております。
エー、今頃ぉ?と思われる方も多いでしょうが、
いつもはうちのお店、点数を出す設定にはしてません。
あくまで点数は機械の基準で出されるので、
私達がすごくうまい!と思う人や、
とってもじーんと胸打たれる歌が、
必ずしも高得点を取るわけじゃないっていうのが
腹立たしいというか、まあ、
「けっ!機械にナニがわかる」的な思いがあり、
お客さまに頼まれない限り、点数設定はしないことに
していたのです。

ところが逆に、
「機械がどんな基準で高得点を出すのか」と
考え始めたら・・・なんだか面白くなってきたんですねぇ。
歌のよしあし、というより、これはゲーム感覚。
機械のルールに則って、点稼ぎに執念を燃やすのです。

高得点を出すのには、
機械に気に入られる(?)歌い方、たとえば
①あまり感情をこめずに“棒読み”で歌う
②ビブラートをきかせない
③声を張り上げない
④カラオケの裏に流れる主旋律メロディに沿って正確に歌う
などの技術を習得すること、そして
高得点を出しやすい曲選びが肝心。

常にすごく高い点の出る曲として、
うちの店では封印された歌に「もののけ姫」があります。
ほんのワンフレーズ歌って、曲をストップさせるだけで
いとも簡単に900点以上が出せてしまう
まさにバケモノ的な曲です。

今夜は店で歌いまくって、
「もののけ姫」のような高得点を出しやすい曲を
探してみよう、ということになり、イソイソとおつまみを買って
店へと向かう私達。
二人っきりもなんだから、誰か誘ってみよう、と
ご近所の女の子にメールをしたら、
「わーい、ちょうど明日はお休みなんです」
と、部屋着のジャージ姿でやってきました。

三人で、この曲ならどうだ、あの曲ならどうだ、と
じゃんじゃんカラオケを入れて歌いまくった一夜。
「キイが高く、ゆっくりしたテンポ」の曲は高得点、
ということには察しがついていましたが、
音の高低差があまりない曲も
結構高い点をとれることがわかったりして、
お金のかからないつつましい娯楽の中にも
なかなかの収穫があったのでした。

でも・・・今、よくよく考えてみると・・・1つの疑問が。
自分の店でカラオケの練習するだけなら、ハタシテ
「スカート履いてお出かけ」の意味はあったのでしょうか・・・。


メインダイニングはこちら 「Annie's Dining
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by onlymoonshine | 2006-12-02 11:25 | crescent moon
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