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夢ノハナシ

私の夢。

ここのところ、ずっと怖い夢をみていた。
斎場に行ったときのショックのせいだと思う。

夢のなかでは、
なぜかあの棺を乗せて運んでいく台の上に
布団がしいてあり、そこに母が寝ている。
母はこちらに顔を向けて、横向きに寝て、
きょとんとしたような目で私たちを見ている。

え、間違ってるよ。ちがう、ちがう。

そう思って止めようとするのに、
係員はガガーッと台を押して、母を窯の方へ連れていってしまう。
あのガラス戸の向こうに連れて行かれたらもう戻れない。
必死で追いかけようとするところで、目が醒める。

「お母さんが!」

汗びっしょりになって、布団をはねのけると、
旦那さまがやってきて、どうしたの、と訊く。

お布団に寝たままでね、目を開けてこっちを見たままでね、
お母さんが運ばれていってしまったよ。

私の説明を黙って聞いてから、旦那さまは
お布団のままなんておかしいね、
生きているのに連れて行かれるなんて変だね、
だから、それは夢だよ、と言う。
夢だとわかっても、とても怖い。

ずっと怖い夢を見ていたけれど、
父は一度も夢のなかに現れなかった。
それが、父の死からちょうど2週間がたった昨夜、
というか今朝の夢に、父がようやく登場した。

父は目を閉じたまま、籐の椅子に座らされている。
亡くなったときと、ちょうど同じように
私たちは家族で父の顔を覗き込んでいる。
すると、父が目を開けた。
「お母さん、」と私は声をあげる。
「お父さんが目を開けた!」

それはまるで、亡くなった時の逆回しのような感じだった。

ゆっくりと目を開けた父は、
でもやはり元気でぴんぴんしてるわけではなくて、
力のない声で「ちょっと静かにしていて」と言う。
ちょっと生き返っただけで、また逝ってしまうのかもしれない、と
私は気が気じゃなくて、でも、もしまた逝ってしまうなら
今度は父の死に目に会えるように旦那さまを呼ばなくちゃ、と
携帯電話を取りにいこうとする。
でも、目を離した隙にまた父が目を閉じてしまうんじゃないかと
心配で、母に「ここを離れないでね」と頼むのに、
なぜか母はのんきに「お茶でもいれましょう」と
立ち上がろうとする。

「ダメだってば、そこにいてよ」
「ちょっとお茶をいれてくるだけよ」
「ちょっとでもダメだってば」

のんきな母にいらだちながら、言い合っていると
父がまた静かな声で私たちをなだめるように言う。

「俺ならお茶はいいよ。もう死んでるんだから」



旦那さまの夢。

さぁやちゃんは、暴れ熊の調教師だったよ、と
旦那さまが言う。
「暴れ熊?」
そう、すごく凶暴なの。2メートル半くらいの大きい熊。
さぁやちゃんがしばらく面倒をみることになった、って言うから
友達と一緒に見に行こうと思ったら、
向こうからさぁやちゃんが熊と寄り添ってやってくるんだ。

その熊はさぁやちゃんといる時だけ、おとなしいの。
だからさぁやちゃんは寝る時も熊と一緒。
暴れ熊を調教して、おとなしくなったら群れに帰すんだって。
つまり、さぁやちゃんは熊の更正員みたいな仕事をしてるんだよ。

熊って、群れになってるんだっけ。
それに、熊の更正員ってなんなんだ?

そう思いつつも、「それで?」と訊く私。

はっ、と気づいたら
暴れ熊が勝手にさぁやちゃんの家から出てきたんだ。
さぁやちゃんが一緒じゃない、やばい、と思って
全速力で走ったんだ。
追っかけてくるの。ものすごく速いんだよ、熊。
ほら、夢の中ってさ、全速力で走れないでしょ、普通。
それが、やってみたら走れるんだよ。
だけどさ、夢の中なのに疲れるの。

「へえ・・・」
夢の中って全速力で走れなかったかな。
私は夢の中で走ろうとすると、
いつも人にぶつかって走れないから、
まだ全速力をだせたことがないのかもしれないけど。

そう考えながら、旦那さまの話の続きを待ったけれど、
どうやらまた夢の中へ戻ってしまったようで、
暴れ熊がその後どうなったのかはわからなかった。



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by onlymoonshine | 2007-03-06 17:08 | half moon