<   2006年 05月 ( 20 )   > この月の画像一覧

やずや

雪待にんにく卵黄のユキちゃんは
なんであんなにいつも哀しそうなんだろう。
そして、どうして喋らないんだろう。

最初の頃のCMでは
どこか親戚のおうちに預けられていたユキちゃん。

叔母さん「にんにく、食べなさい」
従兄弟 「いやだよ。臭いから」

哀しげにうつむくユキちゃん。

私 「ユキちゃぁ~ん!!

そしてユキちゃんは次だかその次だかのCMで
叔母さんに「どうしても帰るの?」と言われながら
バスに揺られて故郷へ帰る。
きっとにんにくを食べてくれない家にはいられないのだ。

今のCMでは、上京するお兄ちゃん(ナノカナ?)を
みんなで見送っている。
包みを手渡すユキちゃん。

お兄ちゃん「(ふっと笑い)にんにく?」
ユキちゃん「(コクンとうなづく)」

哀しげな、せつないような瞳でお兄ちゃんを見上げるユキちゃん。

私 「ユ・・・ユキちゃぁ~ん!!

なんでいつも哀しそうなんだ、ユキちゃん。
あなたは誰なの?
福地ホワイト六片の精なのかしら。
ああ、にっこり笑うユキちゃんが見たい。
にんにく卵黄で元気になって欲しい。
[PR]
by onlymoonshine | 2006-05-31 10:29 | crescent moon

偽りの花園

リビングの片づけをしていた時、
何気なくつけたテレビで
久々に見てしまったお昼のメロドラマ。
(アメリカではソープ・オペラって言うらしい。
スポンサーに石鹸の会社が多かったからですって)

牡丹と薔薇」の時は、すごい視聴率だというので試しに見てみたら
「えぇ~、ありえない~」などと言いながら
ついつい翌日もイソイソとテレビの前に座ってしまった。
あまりにありえなさすぎて、
これがどこまでありえなくなるのか
興味をひかれてしまったのだ。
真剣に見ないものだから、「これはこの後こうなる」とか
「この人とはたぶん引き裂かれる運命。
だけど、何年後かに女の人のおなかにいるこの人の娘と、
他の人と結婚したこの人の息子が惹かれあうのよ」とか
勝手に予測するのも面白かった。
メロドラマって大抵パターンが決まってるから
それがほんとに良く当たるのだ。

そして、今日見たメロドラマ「偽りの花園」。
これまで見ていなかったので
どういう展開なのかよくわからないのだけれど、
記憶喪失になってるらしいクラブのママみたいな女の人がいて、
その旦那さんが実は腹違いのお兄さんだったりするのを
知らずに二人は結婚したらしい。
そして、旦那さんの子どもを生んだ女の人っていうのがいて、
その女の人はクラブのママみたいな人と乳姉妹、らしい。

ややこしいな。

まぁ、メロドラマってややこしく出来ているので仕方ない。
名前だってミネコとミワコだし。
名前までややこしくすることないのにね。

それで、旦那さんはクラブママ・ミワコが腹違いの妹だと知って、
子どもを生んだ女の人・ミネコ(もともとはこっちが好きだったらしい)
と一緒になりたいと思っているのだけれど、ミワコが邪魔をする。

今日も、ミネコの所へ行こうとしている旦那さんをミワコが引き止めて
食事をさせようとする。

「あなたの好きなミラノ風カツレツよ」

と出されたものを食べようとすると、それは草履だったのだ。
「なんてことするんだ!」と怒る旦那さんにミワコは、

「戦地へ行っている兵隊さんのことを思ったら贅沢は言えないはずよ。
さあ、食べなさい。欲しがりません、カツまでは!」

と、のたまうのである。
笑えない洒落なのか、それは。というツッコミはおいといて、
この場面、見たことがある。
「牡丹と薔薇」でも同じような場面があったのだ。
その時、小沢真珠が旦那さんに食べさせたのはたわしコロッケ

オイオイ。これってもう、メロドラマの定番なの?
そう思って、ふと考えてみたら脚本家さんが同じ。
テーマソングを歌ってる人も、
たぶん「牡丹と薔薇」の挿入歌を歌ってた人のような気がする。
たわしコロッケが話題になったから、
同じパターンを使ったんだろうか。
同じ脚本家さんだから、パクリにはならないということか。
でも、食べさせる女の人の演技や表情も、
食べてびっくりする旦那さんの怒りっぷりもまるで同じ。
だからたぶん、旦那さんがびっくりしてみせても
視聴者はびっくりしないと思う。

ふぅぬ。こういうのって・・・どうなの?


*トラックバックを確認してて、間違いに気がつきました。
 嫉妬に狂う奥様が旦那様に食べさせたメニューは

真珠婦人 ・・・たわしコロッケ
牡丹と薔薇・・・財布ステーキ
偽りの花園・・・草履のミラノ風カツレツ

でした。ここに訂正とお詫びを申し上げます。
まぁ、どっちにしてもパターン化よね。
 
[PR]
by onlymoonshine | 2006-05-30 18:50 | crescent moon

謎のコスチューム

昨日、最近の男性ファッションがよくわからない、と
書いたばかりだけれど、
もうひとつ私に、
なぜなんだろう、これでいいんだろうか、と首を傾げさせるのは
ゲームやアニメなどのキャラクターが身につけているコスチュームだ。

いろんなゲームやアニメがあるのだろうし、
その全てがそういうコスチュームの登場人物ばかりではないんだろうけど、
「戦闘モノ」みたいなゲームに出てくる人たちは
異常なほど肌を露出しているように思える。

危険な戦いに挑むわけだから
自分の身を守るためには
防弾服とか防火服とか、レスキュー隊みたいな格好を
していたほうがいいんじゃないかしらと思うのに。
超未来的な武器は作っていても
繊維工学だけが未発達な国の物語なんだろうか、っていうくらい
布地をケチっている。

さっきも、ファイナルファンタジー12っていうゲームをしてる所を
後ろから見ていたら、
色が黒くて背の高い女の人が
あろうことかほとんどお尻を丸だしにしていた。
つまり、Tバックみたいなコスチュームなのだ。
それって・・・キケンじゃないのか。
敵に後ろを見せた時、
お尻が最高の標的になってしまわないんだろうか。
そんな格好をしているくせに、
その人はなんだか偉そうに、人を小馬鹿にしたような言い方で
「魔王の血をひくあなたならわかるんじゃないの」
とか言っているのだ。
そんなこと言う前にお尻をなんとかしなさいよ、と
ゲームの中に入れるなら言ってあげたい。

その人に限らず、ゲームの中の女の人は
すごく短いスカートだったり、
胸がほとんど露出しているような「見せブラ」みたいな
服を着ている。
そんな格好で走ったら、あれだけの胸だもの、
揺れて走りにくいんじゃないかと心配になる。
見せブラじゃなくて、スポーツブラの方がいいと思う。

私が彼女なら、きっとさらしを巻いている。
さらしを巻いたら、やはり上には特攻服。
背中には上の方に赤く明朝体横組みで「夜露死苦」、
そしてその下にドンと金色の縦組みで
「卑突苦覇雨栖」(ぴっくはうす)と刺繍が入っている。
横に「麦酒壱杯伍百圓也」って入れてもいいかな。
そして口にはカラスマスクをして、
盗んだバイクで走り出すの。
でも、たぶんそれはファイナルファンタジーじゃないわね。

うん、まだしっかり「下妻物語」の
イチゴの影響を受けている私なのであった。
[PR]
by onlymoonshine | 2006-05-29 16:53 | half moon

男たるもの

最近のファッション、
特に男の人の服装っていうのがよくわからない。

先日、電車のなかで、通路を隔てた向かいの席に
二人の大学生っぽい男の人(子?)が座っていた。

片方は、無精ヒゲだかお洒落ヒゲだかこれもわからない
もじゃ毛を頬と顎にはり付けた男。
制服の下に着るような真っ白なカッターシャツの中に
ピンクのTシャツを着ていて、
ふたつ開けた胸元のボタンの間からだけでなく、
全体にピンクがカッターシャツを透かしている。
その上に女子高生が着るような、ダボッとした紺色のベスト。
ベージュのハーフパンツをはき、
そこから再びもじゃ毛びっしりの足が出ていて、
素足にスニーカー。
・・・これは、アリなんだろうか?

その隣の男も素足にスニーカーだけれど、
こちらには毛が生えていない。
濃いブルーの、ジャージ素材のハーフパンツ。
胸に何かのキャラクタープリント(猿、のようにも見えた)のついた
白いTシャツの上にコバルトブルーに黄色いラインの
ジャージ上着をはおり、そして頭には細いカチューシャ。

・・・カチューシャ?

あまりジロジロ見るのは失礼なので、
遠い視線を、彼らの背後に投げているようなフリをしていた私の目は
一瞬そこで釘付けになってしまった。
・・・それは、アリなの?

実際には、髪の長い男の人(特にギョーカイ人)が
カチューシャで前髪をあげてるところを見たことはあるのだけれど、
それは業務上、しているのだと思っていた。邪魔だからね。
それに、そのコの格好にカチューシャは浮きすぎていた。

あれ?もしかして、女の子?

靴のサイズは横の男のコよりも大きいくらいだが、
そういえば足がツルツルだ。
でも、除毛する男のコもいるらしいしな。
肩幅だって、ひじまでジャージをまくった腕だってガッシリしているけれど、
幅広い胸にぴっちり張りついたTシャツの下から、
そういえば、なんだかピンクっぽいものが透けている。
あれは・・・ブラジャーなんだろうか。

釘付けの目を引っぱがしながらも、
私はチラリチラリとどうしてもそっちを見てしまい、
それでも、そのコが男なのか女なのか見分けはつかなかった。
男の子っぽい女の子か、女の子っぽい男の子の
どちらかなのは確かだ。

アリか、アリじゃないかはわからないけれど、
服装は個人の自由だと思う。
うちの店が女装子(じょそこ、と本人達が言っていた)さん達で
貸し切りになったこともあるけれど、
家族にはナカナカこの趣味についてカミングアウトできないわよね~、
とか言いながらも、みんなウキウキ楽しそうだったので
似合うとか似合わないとかの問題ではなく
これはこれで良いものなんだ、と思った。

私は日常ほとんどジーンズで過ごしているけれど、
これだってほんの何十年か前までは
女がそんな格好を!と言われたはずなんだよね。

趣味なんかでもそうで、
今は「男子厨房に入らず」なんて言われる時代ではなく、
料理が出来る男の人はかっこいい、とさえ言われている。
「ニットの貴公子」として、おばさま達にキャーキャー言われている人もいる。
一流と呼ばれる料理人にも、デザイナーにも
実際は男の人の方が多いのだけれど、一般の人々でさえ、
男たるもの、料理なんて、編み物なんて、と
言う時代は終わったのである。

いや、終わった、というよりも
こういう時代が巡ってきた、と考えるべきなのかもしれない。
日本にそういう文化があった、かどうかは知らないけれど、
フランスでは貴族の男たちの間で“刺繍”が
大流行した時代があったらしい。

それはロココ文化の時代。
今日読んだ 嶽本のばら 「下妻物語」 はスゴク面白い本で、
主人公の竜ヶ崎桃子は田んぼばかりが広がる田舎町に住み、
奇異な目で見られながらも我が道を行くロリータ娘。
そしてロリータたるもの、
非生産的で享楽的で無駄と優雅を愛するロココの精神を宿し、
ロココな生活をしなければなりません、と思っている。

この本の最初のほうに書いてあるロココの説明に、
その時代、男も刺繍のとりこになった、と書いてある。
結構面白かったので、以下本文のまま。


「・・・ロココの頃は、男性が服装も含め急激に女性化した時代であるとも
いわれますが、地位も名誉もある顎髭をたくわえた紳士が、
政治や軍事活動にいそしむかたわらで、ちまちまと刺繍に興じていた
というのは、かなり笑えます。
『おい、シモン公、俺、ダブルブランケット・ステッチ、マスターしたぜ』
『ザクセン公、すげぇな。俺なんて不器用だからバックステッチもまだまだだよ』
『今度のキツネ狩りの後、刺繍枠とチャコペン持ってこいよ。教えてやるぜ』
『いつも悪いな。そうだ、ザクセン公をリーダーにしてさ、俺たち何人かで
刺繍のサークル作らねぇか』
『それ、いいかもしれないな』
『ただし、女には内緒だ。バレても女子の入会は禁止。
女は真面目に練習しないからな。夏には強化合宿とかもしようぜ』
嗚呼、なんと馬鹿らしき哉、ロココ。
しかし至上の美は馬鹿らしさと紙一重のところにしか存在せぬのです」

この本、ギャグ満載で、ある意味奇想天外なお話なんだけど、
ほんのりと切なく、そして勇ましく、じわりと感動させながら、
ある種の爽快感も与えてくれる。

あ、ここに書くとHPの「Afternoon Library」に書くことがなくなるので、
感想文はまた今度そっちに書きましょ。
Annie's Dining
を、お楽しみに・・・(コソクにHPも宣伝する私)。
[PR]
by onlymoonshine | 2006-05-28 17:54 | full moon

みんなみんな

ひとが

「みんながそう言ってる」とか
「みんなに馬鹿にされた」とか

そういう場合の「みんな」は大抵の場合多くて4,5人

だと、
みんなが言っていた。
[PR]
by onlymoonshine | 2006-05-26 17:11 | half moon

恐怖のエステ

時々送られてくる「くじ」付きメール。
当たらないだろうなぁ~と思いつつ、ぽちっとSTARTボタンを押す。
すると、あみだくじ、みたいなのとか、スロットみたいなのが始まり・・・

残念!ハズレ

っていう字がババンと出る。
そして、その後で
「くじ」にプレゼントを提供していた会社やお店から
すごい勢いでメールが来ることを
なぜ私は予測しなかったのだろう。

食品、化粧品、宝石、布団・・・etc

どれもきっと私が当たるならチョウダイ!と欲をかいて
プレゼントに応募してしまったものばかり。
当たるならホシイけど、買ってまでいらないんだよぅ。
配信拒否し疲れて、
もう二度とプレゼントに応募なんかしない、と思っていた頃、
電話がかかってきた。

ナント、私に三万円分のエステ券が当たったというのだ!

そんなプレゼントに応募したことすら記憶にない私。
でも、エステなんてナカナカいけないし、
三万円分もの豪華なエステ体験をしてみるのもいいわね、
一回だけでもリラクゼーション効果は得られるだろうし、
それに当たったのに行かないなんてモッタイナイわ、
と思って、電話で教えてもらったエステサロンへ出かけた。

「わぁ、ラッキーでしたね。三万円分も!おめでとうございます」

と、エステティシャンの女の子に祝福されながら
白いバスローブに着替える私はちょっとマダムな気分。
ベッド゙に横たわって、スチームを顔に浴びながら
微弱電流を使ったクレンジングを受ける。

「“にぎりどおし”を握ってくださいね」

ナンダ、にぎりどおしって?
これ握ってないとビリビリするのかなぁ。
緊張してぎゅうぎゅうに握りしめる私。

その次は手首にバンドみたいなものを巻かれ、
耳栓をされて、顔の表面をウィーンウィーンとこすられる。
ベッドに横たわっている間、
目の上にはお湯で濡らしたコットンみたいなものが乗せられていて
何をされているのか全然わからない。

そして・・・「はい、お疲れさまでした」。

え、えっ?これで三万円?

時間にして30分くらいのデキゴトである。
んまぁ~、エステってほんとにブルジョワ階級だけに許されたものだわ。
心の中でつぶやく私を、エステ嬢は笑顔で

「それではカウンセリングを致しますのでこちらへどうぞ」

と狭い部屋へと連れて行った。
それからが恐怖の時間だった。

まず、「これまでエステはされてましたか」と聞くので
「いえ、初めてです」と答えると
「えぇ~、エステをされたことがない?そうなんですかぁ」と
大仰にびっくりされた。
そして私のお肌のアップ写真が登場。

「お客さまはとても皮膚が薄いので、デリケートなお手入れが必要です」

良かった。面の皮は厚くなかったんだわ。

「皮膚のターンオーバーはこれからどんどん落ちていきますので、
 お手入れでうながしてあげないと、シミが出来てしまうんですね」

あぁ、はい。それはそうだよね。
年とると傷もなおりにくいっていうしね。

「それではごらんになってください」

レントゲンの小型版みたいな機械が机にのせられ、
顔をなかに入れると向こうからエステティシャン嬢が覗きこみながら

「見えますか?お顔全体に薄く広がっているのがシミ予備軍です。
 放っておくと半年以内に出てきます」

えぇぇ?半年以内にコレ全部?うそぅ。

「お客さまのお首もとに小さなホクロみたいなものがありますが、
 それはイボです。これも放っておくと体全体に広がります」

うへぇ?イボが?体全体に?

「そこでお客さまにぜひ会員になって頂いて、
 お安くお手入れのできるプランをご用意しました」

見せられたのは、化粧品とエステの回数券10回分、
そして、『現在キャンペーン中のお得なオプション・ポイント』
(普通のお手入れにプラスしてより効果を高めます)
併せて約40万円ナリ。
固まる私にエステ嬢は
「皆さん、36回の分割払いにされますよ。それなら月々2万はきりますし」
と微笑みかける。
36回って、3年間だ。
10回分、つまり10日間の贅沢のために3年ローンを組むのである。

「むっ、無理です。それに10回だけで終わらないでしょ」

と拒む私。
すると、エステ嬢は満面の笑みを浮かべて「そこで、」と切り出した。

「お宅でもお手入れをして頂ける素晴らしいセットがあるんですよ!」

美顔器だ。キケンだ。
うちの母もなんだかそんなセットを持っていたけれど、
使っていたのをほとんど見たことがない。
そしてその美顔器セットのお値段は36万円

「いやいやいや・・・無理です。ほんと」
「シミでちゃいますよ」
「はぁ・・・仕方ないですね」
「イボはどうするんですか」
「いや、ほんと、残念ですけど」
「残念です。本当に残念です」

エステ嬢、もうほとんど私を睨んでいる。

なんでこんなに叱られなきゃいけないんだー!

やっとの思いでエステサロンを出た私は
リラクゼーションを得るどころかクタクタに疲れていた。
これは、くじメールにうっかり手を出した報い?

おかげですっかり私の頭には「シミ」「イボ」という言葉が
インプットされてしまった。
恐るべし、ラ・パルレ
[PR]
by onlymoonshine | 2006-05-25 14:59 | moonless

チュトワイエ

フランスの小説を読んでいると

チュトワイエ (tutoyer きみぼく、で話す)

という言葉によく行き当たる。
つまり、親しく口をきくということ。その反対が

ヴーヴワイエ (vouvoyer 他人行儀な言葉遣い)。

英語のyouにあたる単語が仏語では tu と vous 、
日本語だと「きみ」と「あなた」の違い、だろうか。
仏語は主語(僕、君、私、あなた、彼女、彼...)で
その後に来る動詞が全く違うものになるから、
tu と vous のどちらを遣うかで、
言葉遣いそのものが変わってしまう。

日本でもそれは同じで、
「きみ、こっちこない?」っていうのと
「あなた、こちらにいらっしゃいませんか?」っていうのでは
親しさ、というか、くだけ方が全然違う。
でも、フランスと日本で違うな、と思うのは、わざわざ

「今日からきみ、ぼくで話しても構いませんか?」

なんて、あまり聞く人がいないっていうこと。
何度か顔を合わせたり、話したりするうちに
自然にそうなる場合がほとんどだと思う。
お互いの空気、みたいなものがそうさせるんじゃないのかな。
と、いってしまうと、フランス人が空気の読めない人々みたいだけれど、
あくまで「礼儀をわきまえた」人々、なだけかもしれない。

以前、ちょっと呆気にとられたのは
初対面で、それも初めて口をきくときに呼び捨てにしたひとだ。

(注:アニー、っていうニックネームについては別。これは「さん」イラナイと思ってる)

それは友達の旦那さまで、
たぶん友達から色々私のことを聞かされていたのだと思う。
話を聞いたり、友達と一緒に撮った写真を見たりするうち、
もしかしたら旧くから知っている友達みたいに
感じてしまっていたのかもしれないけれど、
初めて会った時にいきなり

「おぉ、○○!(←本名)」

と、ものすごく明るい笑顔で言われて、
私も、私の隣にいた当時の恋人も目をまんまるくした。
その後、それぞれの車に乗り込んで目的地を目指す間、
恋人だったひとはずっと

「・・・ナンデ呼び捨て?・・・ナンデ呼び捨て?」

と、ブツクサ言っていた。
私はそれから、その友達の旦那さまのことを密かに

「チュトワイエなやつ」

と呼んでいる。
[PR]
by onlymoonshine | 2006-05-24 17:41 | crescent moon

靴下

私の靴下はほとんどの場合つまさきに穴があく。
それも、なぜか一斉にあくような気がしてならない。
平等に履いているからなのかもしれない。

ぽちっと小さく穴があくのはかがりようもあるけれど
薄くなってそこから肌が透けて見えるようなものは
つぎあてをしなくては無理で、
なかなかそこまでしないままゴミ箱行きになることが多い。
その頃には、上のゴムの所もゆるくなっていたり
生地に毛玉が出来たりしているので
まあ寿命、と思って納得する。

今日もまた洗濯物をたたむ時に、寿命ソックスをみつけた。
この靴下、どれくらい履いたかな、と考えていて
また、ふと昔に読んだお話を思い出した。
記憶の引き出しって変なところで開くものだと思う。

ファージョン作 「年とったばあやのお話かご」は、
子ども達の穴あき靴下が入っているかごから、
ばあやがその日取り出した
靴下の穴の大きさに応じて、子ども達に聞かせる
様々なお話が詰まった本だ。
そのなかで、記憶に一番残っているのは
「ラップランドの子 リップ」というお話。

いままでばあやがお守りをしたなかで、
一番小さかったのはだれ?と子どもが聞くと、
ばあやはメアリ・マチルダの小さな靴下をひっくり返しながら言う。

「いいえ、あの方も小さかったけれど、 リップはもっと小さかった」

リップはラップランドで生まれた子。
とにかくばあやはそう聞いていた。
ある日、大急ぎで来てくれとばあやを呼びに来た人がいた。
ラップランドで赤ん坊が生まれたのだけれど、
あまり小さくてお母さんが赤ん坊をみつけられない、から
なんとかしてくれないか、という。
そこでばあやはラップランドへ行ったのだけれど、
とうとうみつけることはできなかった。

「それでどうしたの?」

子どもが尋ねると、ばあやは「どうもしません」と答える。

「でも、リップの話はどうしたの?」
「リップの話はないんです。聞きたいんなら言いますけどね」

ばあやは内緒話のように言った。

「リップなんていなかったんだと、私は思うけど。
ちょうどこのメアリ・マチルダの靴下に穴がないみたいにね。
どうしてこれがつぎものかごに入ってたんだか
私にゃわからない」

(E・ファージョン The Old Nurse's Stocking Basket より)


なぜかこの短い話が記憶にひっかかっている。
靴下の穴の大きさに応じて話ができるなんて素敵、と
童話作家に憧れていた子どもの私は思っていた。
穴がない!だからお話もない!
ばあやの話を楽しみにしていた子ども達の
がっかりした顔が目に浮かぶ。
ただでさえメアリ・マチルダの靴下は小さくて
穴だってほんのぽっちりあくだけだから、
長いお話を聞きたい上の子たちは
メアリ・マチルダの靴下を隠したりもしたのに。

私は靴下つぎをしないし、
お話をしてあげる子どももいない。
レイアウト上に空けられた何文字・何行という
穴を埋めていく仕事をしている。
[PR]
by onlymoonshine | 2006-05-23 19:45 | moonless

ユニコーン

随分昔に読んだことのあるお話を
なにかの拍子にふと思い出すことがある。
昨日、電車のなかでふいに浮かんできたのは
「庭にいた一角獣の話」だった。
それは、こんなお話。

男が朝ごはんの炒り卵をつついているとき、
金の角を生やした一角獣が庭にいることに気がついた。
静かにバラの花をかみきっている。
男は慌てて寝室へ行き、奥さんを揺り起こして
「庭に一角獣が来て、バラを食べているよ」
と、教える。
奥さんはうるさそうに
「一角獣って神話に出てくるけものよ」
と言って寝返りをうってしまう。

男が庭に出てみると一角獣はまだそこにいて、
今度はチューリップの葉っぱを食べている。
「やっぱり一角獣だ」
男はつぶやいて、百合の花を一本抜き、
差し出すと一角獣は真面目な顔でそれを食べる。
男はもう一度、ベッドで寝ている奥さんの所へ行き、
「一角獣がさ、百合を食べたよ」
と言う。
が、起きあがった奥さんはつめたく男を見つめる。
「ばかじゃないの。病院に入れてもらうのね」
「いまにわかるさ。おでこの真ん中に金の角が生えてるんだから」
男が庭に引き返すと、もう一角獣の姿はなかった。

奥さんのほうは、男が庭に出ていくとすぐに服を着替え、
とてもいらいらして目を光らせながら
警察と精神病院に電話をかけ、
頭のおかしいひとがいるから、すぐに取り押さえてください、
と言う。
まもなく警察官と医者がやってくる。

「うちのひとが、一角獣を見たというんです」

顔を見合わせる警察官と医者。

「そして、百合を食べたっていうんですよ」

また、顔を見合わせる警察官と医者。

「おでこの真ん中に、金の角が生えてるんですって!」

医者がうなづくと、警察官がサッと奥さんに飛びかかる。
暴れる奥さんをなんとか取り押さえる二人。
そこへ男が庭から戻ってくる。

「あなたは奥さんに一角獣を見たと言いましたか?」
「とんでもない、そんな馬鹿な」と、男は答える。
「だいたい一角獣なんて神話に出てくる動物ですよ」

「けっこうです」医者はうなづく。
「お気の毒ですが、奥さんはどうもおつむの方が壊れておいでです」
泣きわめきながら奥さんは病院に入れられてしまった。

(ジェームズ・サーバー Fables for our timeより)

子どもの頃は変な話だなぁ、と思っていた。
大人になってもやっぱり変な話だなぁ、と思うけれど
思い出したらなんだか笑ってしまった。
[PR]
by onlymoonshine | 2006-05-22 19:32 | crescent moon

嫌いな言葉

「言わせてもらいますけど」

今から攻撃、または反撃を始めますよ、という
身勝手な宣戦布告。
何言うかわかりませんよ、という脅しの意も含まれる。

この言葉を使うとき、ひとはほとんどの場合怒っているので
相手をやりこめようと思うあまりに
まったく論点とは無関係な事例をあげつらうことが多い。


使用例)・・・零細企業の社長と経理担当の事務員の場合

社長「もっと時間を有効に使いなさい。時は金なり、だよ」
社員「言わせてもらいますけど、
    こんなお給料で『時は金なり』なんて心外です。
    社長が通ってるクラブの女の子くらい時給が良ければ
    時は金なり、だと思いますけど。
    大体、社長はあのクラブでいくら使ってるんですか。
    社長こそ時間とお金を無駄にしてるんじゃないですか?」


「言わせてもらいますけど」、と言われたら
次の言葉が出てくる前に、急いで
「言わせてあげるって言ってませんけど」
と釘をさすのが賢明である。
[PR]
by onlymoonshine | 2006-05-20 10:33 | moonless