ジョージ山本

お正月休み、ということで
同級生の友達がお店へ遊びに来てくれました。
エリちゃんとみぃちゃんは高校の同級生で演劇部のOB仲間。
二人とも主婦で、もう高校生になろうという子どももいます。
ひょえええ。

中学の同窓会でも感じたことなのだけれど、
女の子、というのは中学・高校くらいで
ほぼ成長しきっている、というか、ほぼ完成形なのですね。
だから十数年ぶりに会っても、「えっ、誰?」というほど
ものすごく変化していることはあまりない。
まあ多少崩れてきている、というのは
お互いに認めざるを得ないにしても。

でも、男の子となると、
びっくりするほどの変化を遂げている場合が
なきにしもあらず、なのですね、これがまた。
たとえば、いつも目線の下にいた小さな男の子が
見上げるような大男になっている。
たとえば、ガリガリでひょろひょろのもやしっ子が
恰幅の良いお父さんになっている。
ちなみにうちの中学は「男子は坊主頭」という規則だったのですが、
髪の毛があるのとないのとでは、それだけで随分印象が違う。
しかし中には、中学時代はもちろん坊主頭なのだけれど、
時を経ても、いや、時を経たからこそ、
再び「ほぼ坊主頭」に近い状態に戻っている人もいます。
「薄い」といっては失礼だし、「微毛」というのも哀れを誘う、
そんな坊主頭・リターンズの1人に声をかけられました。

「おお、久しぶり。きれいになったなー」
誉められればこちらも悪い気はしない。
こちらからも何かお褒めの言葉を、と思う私。
「またまたぁ。○○くんは、えーと、あんまり変わらないよね」
すると彼は、ちょっとブゼンとして言いました。
「おまえは俺のフサフサ時代を知らないからそう言うんだぞ。
すいてもらわなきゃいけないくらい、ぼーぼーに生えてたんだからな!」
す、スルドイ。言葉の裏を読まれたか。
フサフサ時代に会いたかったね、とは言わぬが花。

さて、それはさておき。
高校の同級生、エリちゃんとみぃちゃん。
車だから、とお酒は飲めなかったのですが、
ノンアルコールカクテルを飲みながら話が弾みます。
他の同級生の近況を伝えあったり、OB会の企画をたてたり、
もちろん懐かしい思い出話にも花が咲きます。
記憶というのは面白いもので、
3人とも同じ高校に通い、同じ演劇部に所属し、
同じクラスになったことだってあるというのに、
それぞれが少しずつ違う記憶のピースを持っています。
あれ、それは知らなかったな、とか
あれ、そんなことあったっけ?、などということも結構多く
記憶のジグソーパズルに次々とピースがはめられていく。

ついこの前のことみたいな気がするのに、
私たちの子どもがもう高校生になるなんてねぇ、と
ため息まじりに語り合うエリちゃんとみぃちゃん。
エリちゃんの娘さんは一ヶ月ほど
アメリカにホームステイをしていたそうなのですが、
エリちゃんの家にもよく外国の子ども達がホームステイに来るらしい。
私の友達も外国からの留学生を預かっているので、
「大変だけど、楽しそうだよね」と私が訊くと、
「いやぁ、それが本当に大変で。
この間はイタリアの女の子が来ていたんだけどね」
と、彼女は話し始めました。

「彼女の頭の中では、日本は東京なんだって。
だから東京に行きたいって言うんだけど、私も詳しくないし・・・」
「うんうん。どこに連れて行けばいいかわかんないよねぇ。
ディズニーランドとか?」
と相槌を打つみぃちゃん。いや、ディズニーランドは千葉だし。
「秋葉原とかじゃないかなぁ」
うちの旦那さまが言うと、エリちゃんは
「ううん、それがね、どうしても行きたいところがあるっていうの」
と言い、それから首を傾げて考え始めました。

「山本譲二・・・だったっけ」
「山本譲治?演歌のぉ?」
イマドキのイタリア娘は演歌にご執心なのか。まさかなぁ。
「違う、山本譲治じゃない」
「それじゃ、香田晋?」と、みぃちゃん。
「そうじゃなくて、えーとね、山本・・・」
「演歌の人?」
「違う違う。日本人で、イタリアで超有名な、」
「えー。イタリアで有名な演歌歌手なんているの?」
みぃちゃん、そろそろ演歌から離れた方がいいと思う。
えーと、えーと、と思い出そうとしているエリちゃん。
「山本・・・デザインの。寛斎じゃなくて」
「おお!」
そこでハタを膝を打つ私。「ヨウジ・ヤマモトか」。
「そう!それぇ~!!」
パッと顔を上げたエリちゃんのおでこに
「スッキリ」という文字が見えるかのよう。

「ヨウジ・ヤマモトとジョージ山本じゃ随分違うね」
と、笑う私。「えー、なにそれ?」と首を傾げているみぃちゃんに、
「ワイズの。ほれ、ブランドの」と説明すると、
「うわー、それじゃ香田晋とも大違い~」と笑いだした。
うん、それは相当違うね。

ブランドとかデザイナーとかの名前には相当疎くなっている昨今。
そして、映画のタイトルや俳優の名前を思い出すのに
ものすごく遠回りをしなくてはいけなくなった昨今。
ヨウジ・ヤマモトが出てきただけでも自分を誉めてやりたい、と
元・女子高生は思うのでありました。



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by onlymoonshine | 2007-01-04 17:59 | half moon
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